【メルマガ第007号】
会社を経営するためには、営業活動が必要です。
その営業活動を行うための経費を営業費といいますが、営業費の中に交際費
という費目があります。
取引先との受注活動など取引が円滑に行くようにするための接待に要する
飲食費、贈答費などを言います。
これは、会社側から見れば会社経営に必要なものですから、必要経費です。
しかし、法人税の計算においては経費(損金)にできる金額に制限を設けて
います。
そのことを損金算入限度額と言っていますが、平成21年4月1日以後に終了する
事業年度から、資本金1億円以下の会社は年間600万円となっています。
ただ、この限度額以内であっても全額が経費(損金)になるわけではなく、
使用額の1割は経費になりません。
この意味は、資本金1億円以下の会社が交際費を700万円使った場合は、
700万円−600万円+(600万円×0.1)=160万円が経費にならず税金の対象に
なるということです。
極端なことを言いますと、交際費を700万円使って会社の利益がゼロだった場合
でも、160万円は経費になりませんから、法人税等の税率を40%としますと
160万円×0.4=64万円の税金を納める必要があるのです。
交際費は、会社にとっては経費ですが税務では冗費という考えもあります。
冗費(じょうひ)とは、「むだな費用」という意味です。
実際によくある話なのですが、会社が多額な利益を上げた場合、税金を払う
よりはみんなで飲み食いに使おうという社長もいます。
なにが必要で何が無駄かということを判断するのは実際には難しいですから、
限度額以内の金額でも1割は経費にできないと決めていると考えることも
できます。
また、通常は接待されている人が課税されないので、代わりに会社の方で
税金を払うという考えもあります。
いずれにしても、会社の交際費は全額が経費にならないことを理解して
ください。
そして、ここで交際費と言っているのは交際費という費目で処理しているか
どうかで判断するのではないので、注意してください。
よく、交際費は全額が経費にならないからと雑費などで処理する人がいます。
当然ですがどういう科目で処理しているかではなく、税務上交際費に
該当するかで判断します。
何が交際費に該当するかの判断は難しいので、顧問税理士のいる方は
必ず相談してください。
(2009.10.19配信、2009.11.17公開)
森大志税理士事務所(←クリックしてください。)