企業研究・絶頂の後が危ない【失敗から学ぶ】

☆実在企業の研究をして自社の経営に役立て、同じような失敗をしないことを

目的とします。

多くの会社を見て来ましたが、大成功を収めた企業がその後経営危機に直面

することがあります。

成功するということは、開発した製品や販売している商品が優れているだけでなく、

様々な要因があるにも関わらず、大きな勘違いをして暴走してしまうのです。

 

大きな成功をした後ほど、謙虚に慎重に成功要因を分析することが必要なのです。

 

実際の失敗事例から学び、経営に生かしましょう。 

 

 

T.絶頂の後が危ない「安倍首相の退陣」 

大きな利益を上げたり、大きな成功を収めた後が危ない!

 

U.PS3の教訓 

PS2の成功からPS3の失敗、今までのお客様を生かさなかったソニー! 

 

V.技術力のわな

技術力があると、この商品が売れないわけはない、この味がわからないのは

おかしい等々勘違いをする! 

 

 

続きます! 

 

ご相談は豊島区池袋・森大志税理士事務所(←クリックしてください。)

 

絶頂の後が危ない「安倍首相退陣」

絶頂の後が危ない!

 

信じられませんが、本当に多くあるのです。

 

今まで慎重だった人が絶頂になり、勘違いし暴走することさえあるのです。

 

今回自民党を取り上げましたが、会社が「大きな利益」を上げた後に

ピンチが訪れる事例に注意していただきたいと思います。
 

 

 

1.絶頂の後が危ない「安倍首相退陣」(2007年9月13日ブログ記事から)

 

安倍首相が退陣表明し本当に驚きました。

しかし、私は、郵政民営化を争点とした前回の衆議院選挙で自由民主党が

「大勝」してから、自由民主党の終りの始まりではないかと思っていた一人です。

 

与党は衆議院で300議席以上を獲得し、参議院でも過半数を握り何でも

できる様になりました。

 

その結果、強引な国会運営が目立つようになったのです。

自民党議員は、審議時間に何時間費やしたので審議は尽くしていると説明して

いましたが、時間は一つの判断基準ではあるけれども、法案の内容が問題なのです。

 

郵政民営化は支持したが、ほかの問題は支持しているとは限りません。

 

たとえマニフェストに掲げていても同じです。

今回は、郵政民営化を問う選挙だったからです。

 

しかし、安倍首相は勘違いし強引に進んでしまうのです。

 

その結果が、今回の参議院選挙です。

これは、会社の経営でも同じです。

 

今まで、いろいろな会社を見てきましたが、会社が「大きな利益」を上げた後

にピンチが訪れるのです。

 

たとえば、

1.今まで一生懸命働いていた社長が、遊び始め、仕事がおろそかになった。

2.会社成功の功労者が他の人の意見を聞かない。

前の成功体験があるため誰も止められないし、言うことを聞かない。

3.利益が出ているので税金を払うなら経費を使った方が良いと、むだな経費を

使うようになる。

 

一度タガが緩むと修正がきかなくなるのです。

 

 

手遅れになりますと、会社倒産に至ることもあります。

絶頂の後は危ないのです。

このような時に、今までの経験を基にさりげなく社長に注意を促すことも、

税理士の仕事であると思っています。

微力ながらお役に立ちたいと思っています。

 

たとえ成功しても、たまたま成功したと自分に言い聞かせて、より慎重な

対応が求められます。

 

その気持ちを忘れなければ、より大きな成功となってますます会社も飛躍

するのです。

PS3の教訓

ソニーのことを、私たち日本人は「世界のソニー」と呼んでいました。

 

それぐらい、ソニーと言う社名は私たちの誇りでした。 

 

そのソニーがPS2で世界的な大ブームを起こし、さすが世界のソニーは

違うと、その存在感を世界に示しました。

 

ただ、その後のPS3の発売までの動きを見ますと、疑問なことばかりです。

 

普通であれば、今までのお客様をターゲットとして新製品の開発をするはずですが、

PS3の販売価格を見ても、PS2のお客様と違う客層を狙ったとしか考えられません。

 

そこに、油断と言うか驕りと言うか、過剰なまでの自信が妨げになったのです。 

 

1.PS3の教訓(2007年10月10日のブログ記事から)

 

ソニー・コンピュータエンタテイメント(SCE)は9日、現行の最低価格機種より

1万円安くした家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の廉価版を

11月11日に発売すると発表しました。

 

ご承知の通り、PS2は世界的に大ヒットしましたが、PS3は発売当初から大苦戦です。

私は、PS3の発売当初からこれは絶対に売れないと思っていました。

 

確かに、前機種に比べて機能も充実しているのですが、値段があまりに高いのです。

現在大ヒットしている任天堂の新型ゲーム機「Wii(ウィー)」は、希望小売価格

2万5千円ですが、それの2倍以上の価格です。

 

機能が2倍以上であれば価格が2倍でも同じと考えたのでしょうか。

PS2の成功に自信をもった人たちが、ほかの人の反対を押し切って開発したと

いわれています。

 

PS2で大成功していますから、誰も反対できないのです。

 

過剰なぐらい自信を持っている人たちです、この機能も必要だというように機能を

どんどん追加した結果なのです。

 

よく、自信過剰な料理人がお客様の要望を無視して、この味がわからないのは

お客のほうがおかしいと、自分中心の考え方をして失敗することがありますが、

同様だと思います。

(森大志のひとりごと、絶頂の後は危ない「安倍首相退陣」参照)

ゲームに2万5千円だす人と、6万円以上だす人は違うのです。

一部のマニアックな人だけを相手にするのでしたら、性能が大幅に良くなる

のですから、10万円でも売れるでしょう。

 

しかし、それではだめなのです。

せっかくつかんだお客様をいかせず失ったのです。

 

前にも書きましたが、本当に絶頂のあとはあぶないのです。

 

周りの人が何を言っても言うことを聞かないのです。

 

PS3の開発時のソニーの動きと反対に、任天堂の戦略を比べますと

長年娯楽エンターテイメント業界で生き残った会社との差が明らかです。

 

任天堂の戦略も研究していますので、合わせてご覧ください。

 

 

技術力のわな

技術力があると、この商品が売れないわけはない、この味がわからないのは

おかしい等々勘違いをすることがあります。

 

技術力があればある程、技術者の発言権が強くなる傾向があり、そのことが

企業経営を危機に陥れることがあるのです。

 

特に技術者の技術力により、良い製品ができ、大ヒットを飛ばした後ほど

技術者は言うことを効かなくなることが多いのです。 

 

優秀な営業マンはお客様の声をよく聞きますが、大ヒットの後ほど運が良かったと

言う謙虚な態度で経営の舵をとることが大切です。

 

 

1.技術力のわな(2007年12月7日のブログ記事から)

 

世界のソニー、技術のソニーと自他共に認めているソニーの戦略を取り上げます。

今回取り上げるのは、VTR(ビデオテープレコーダ)です。

VTRは皆さんもご存じの通りソニーが開発したベータ(ベータマックス)方式と、

日本ビクターが開発したVHS方式と言われる方式があります。

これも皆さんが御存じの通り、最終的に日本ビクターのVHS方式が圧勝したのです。

ここで注意しなければならないのは、ベータ方式よりVHS方式のほうがすぐれている

商品だから勝ったのではないのです。

むしろ商品的にはベータ方式のほうがテープのサイズが小さく写りもよくすぐれて

いるのです。

どうしてかと言うと、これは家庭用のVTRのことで放送局などのプロの間では

ソニー製品が使われているからです。

それなのに、なぜVHS方式が勝利したかと言いますと、ソニーの

「販売戦略のまちがい」なのです。

ソニーはベータ方式を売り込み、ビデオ市場を独占しようともくろんだのです。

しかし、日本ビクターは違いました。

積極的に特許を公開(これが後に特許料収入をもたらしました。)し仲間を

増やしたのです。

松下電器、日立、東芝等次々にVHSを採用し、VHSグループを形成し、

ソフトメーカーも次々にVHS方式の採用に動き、VHS方式の勝利が確定したのです。

この件は、皆さんの会社経営にも共通する重要な問題を示唆しています。

どんなによい商品でも売れるとは限らない、ということです。

技術力があると、この商品が売れないわけはない、この味がわからないのは

おかしい等々勘違いをする場合があるのです。

私はあえてこんな場合を「技術力のわな」だと思っています。

くれぐれもご注意ください。

 

 

2.技術力のわな2(2007年12月10日のブログ記事から)

 

VTRの競争においてソニーに圧勝した日本ビクターでしたが、その後の戦略に

おいては失敗しました。

VTRの規格であるVHSはアナログの規格であり、その後の時代のビデオは

デジタルに移行したのです。

そうすると、VHSでは日本ビクターの規格に乗った他のメーカーは、デジタル時代は

自社が主導権を握ろうとそれぞれ動いたのです。

それにも関らず、日本ビクターはVTRの規格提唱メーカーと言う立場にこだわり続け、

技術力には自信があるので再び、デジタル時代も主導権を握ろうとしたのです。

VHSで勝ったので、次も勝てると思ったのかもしれません。

確かに、日本ビクターは技術力があるかも知れませんが、競争相手である他の

メーカーは日本ビクターより大きく技術力もあるのです。

そして、VTRの開発競争、ソフト等の販売戦略において他のメーカーは失敗により

学習しました。

「ソフトを制するものが勝つと」

同じように、デジタル時代に失敗するわけはないのです。

アナログであるVHSでは負けても、デジタルでは負けないぞと思って開発したのです。

それなのに日本ビクターは、VHSでの大成功を引きずりVHSの延長で開発を進め

判断を誤まりました。

デジタルは高画質、高音質、長時間録画、コンパクトサイズ等の利点がありますが、

アナログとデジタルは別なものなので、アナログのお客様をそのままデジタルに

移行させるのは無理があると思うのです。

アナログでの成功を忘れて、デジタルの開発に経営資源を集中すべきだったと思います。

本当に絶頂の後は危ないのです。
(森大志のひとりごと『絶頂の後は危ない「安倍首相退陣」』参照)

2007年3月期の決算は、売上高7427億円(前期比8%減)、営業利益57億円

の損失(前期は69億円の損失)、当期純利益は79億円の損失

(前期は306億円の損失)という結果になりました。

そして、2007年8月には、音響メーカーであるケンウッドと

投資ファンドであるスパークス・グループに第三者割当増資を実施し、

松下電器産業の連結子会社から持分法適用関連会社となったのです。

2008年にケンウッドとの経営統合を目指し、「経営統合検討委員会」も発足させました。

このようなことは、われわれ中小企業でも起きることを私は経験しています。

大成功の後は、会社が倒産する位の大ピンチになることがあるのです。

 

 

3.技術力のわな3(2007年12月11日のブログ記事から)

 

プレイステーション2(PS2)で大成功を収めたソニーの、その後の戦略について考えます。

PS2で成功したソニーは次世代機としてプレイステーション3(PS3)を開発し販売しました。

PS3の特長はデジタル家電とコンピュータの融合時代を先取りしたハードの性能でした。

日本ビクターはVHSの成功にこだわり、デジタル対応に失敗したのですが、ソニーは

PS2の成功にこだわらないで失敗したと思っています。

ソニーは、VTRでは優れた商品を開発したにもかかわらず、販売戦略に

失敗しました。

PS2からPS3への移行については、商品(製品)戦略の失敗だと思います。

PS2の大ヒットにより大成功を収めたソニーですが、PS3の開発にあたって

あまりに技術にこだわり、高機能、高価格の機器を開発したのです。

高機能になった結果、PS3へ移行したのにPS3に合うソフトが開発できない、

開発費の高騰を招くという結果になりました。

また、高価格になったため、今までのPS2の購買層から乖離し一部の

マニアックな人達(多少高くても買いたいと思う層)の支持しかなくなりました。

私もそうですが、ゲームの機器に3万円以上払うつもりはありません。

PS2の購買層であるゲームを単に楽しむ層をそのまま取り込むことを考え

なければいけないと思うのです。

一番需要の多い客層をターゲットにしなければいけないのです。

(森大志のひとりごと「任天堂の戦略」参照)

PS3はPS2と互換性がありますが、価格があまりに違うので、互換性があることで

PS2の客層を取り込んだことになりません。

ソニーは技術力があるので、デジタル家電とコンピュータの融合時代を先取りした

機器を作りたいとの考えは判りますが、あくまで半歩先取りする位が丁度良いのです。

一歩も二歩も先行する機器に、他の面でついていけないのです。

ソフトしかり、利用者しかりです。

機器の高性能化により、ゲームの内容も高度化していますが、長く続くゲームは、

トランプ、花札、麻雀、チェス、オセロゲーム等単純なゲームばかりです。

PS2の成功体験により、技術力が前面に出てデジタル家電とコンピュータの

融合時代を先取りした機器を作ってしまった。

本当にハードの性能はすごく良いのです。

でも、私はPS3を買いません。

技術力があると、この商品が売れないわけはない、この味がわからないのは

おかしい等々勘違いをする場合があるのです。

私はあえてこんな場合を「技術力のわな」だと思っています。

くれぐれもご注意ください。

 

 

このように成功を収めた会社が、成功を納めたがゆえに経営戦略を間違える

ことがあります。

 

中小企業では致命的な失敗になることもあるのです。 

 

私たち中小企業は、このような事例を研究して経営に活かさなければなりません。

 

私と一緒に勉強しましょう。