【メルマガ第015号】
『各部屋で同じ番組見る家族』
今日のタイトルの「各部屋で同じ番組見る家族」は、第一生命が主催している サラリーマン川柳の一つです。
皆さんはこの川柳を聞いてどのように思ったでしょうか。
家庭の住環境にも依るのでしょうが、昔のホームドラマにあった一家団欒という イメージではありません。
家族としてひとつ屋根の下で生活していても、それぞれ自分の好きなように過ご しているのです。
そうすると、商売を考える時にも違いがあるのです。
昔は、一家にテレビが一台でしたが、二台三台所有している家も珍しくありません。
たとえば、ホームドラマの制作をしている会社をイメージしてください。
昔は、ホームドラマが高視聴率を取っていました。
今では考えられないことですが、30%を超える視聴率の番組もあったのです。 その時代は、一家団欒で食事をし、ホームドラマを見ていました。
女性の社会進出が進み、家族のあり方も多様化した現代においては、たとえ家族 であっても生活時間がバラバラなのです。
それこそ、食事時間もばらばらということも珍しくありません。
だから、家族向けの商品でも小分けできる方が支持されるかもしれないのです。
そのような時代においては、ホームドラマを見る人も減ってきます。
自分たちの生活とはかけ離れているので、支持されないのです。
この会社が、家族とはこうあるべきだとホームドラマにこだわっていたらどうで しょうか。
テレビ局からは、ホームドラマを作るという依頼はきませんから、仕事がない、 仕事が激減することになります。
テレビ番組制作ということにこだわるのであれば、同じドラマでもホーム ドラマ以外のものを考えなければならないのです。
刑事もの、サスペンスなどを考えるのも一つの方法だと考えます。
いずれにしても、自社がターゲットにしている客層を考えて、対応しなければ 生き残れないのです。
このことは、どのような商売でも共通のことだと考えます。
この制作会社の社長が、最近の若い家族は一家団欒でホームドラマも見ないと 嘆いても、経営には何の役には立たないのです。
経営者として、これからは、いままでのようなホームドラマが支持されなくなる と考え、ほかのことを企画することが必要なのです。
同じ現象を見ても、そのことがどのようなことから起きているのか、分かる人と、 分からない人がいます。
最初からわかる人はいません。
だから、経営を学ぶのです。
一緒に経営の勉強をしましょう。
今後とも、よろしくお願いいたします。
(20098.12.14配信、2010.01.17公開)