【メルマガ第021号】
『技術力があることが危機を招くことがある』
日本の会社の代表格であるトヨタ自動車が、リコール問題で苦境に
立っています。
特に、リーマンショックで売上減少に苦しんでいたトヨタ自動車の救世主
であるハイブリッド車プリウスのリコール問題はとても心配です。
今回のトヨタの当初の対応は、ブレーキの効きが悪いと感じても、強く
踏み込めば大丈夫というものです。
トヨタの技術陣は技術では誰にも負けないという自負があるでしょうから、
欠陥ではないと主張しています。
ただ、アメリカにおいて追い込まれてリコールしたことは、今後の対応が
難しい。
アメリカ人は間違いを認めないと言われています。
認めると損害賠償請求などをしてくるからです。
そういう点から考えますと、今回の追い込まれてリコールをしたトヨタの
対応は簡単には済まない予感がします。
今回のテーマは、「技術力があることが危機を招くことがある」ですが、
トヨタのようなことが一般企業でも起こりえるのです。
分かりやすい例で考えますと、腕に自信のあるシェフが「この味が分から
ないのは味の分からない人だ」と言います。
はたしてそうでしょうか。
味覚というのは嗜好ですから、味に対する好みは色々です。
本来は、どうしたらお客様に支持されるか考え、それに合わせるのが
正しいのではないでしょうか。
技術者は、この製品は性能が良く良いものだから高くても売れると考えます。
しかし、消費者から見れば、ほどほどの性能で安い方が良いという選択も
あるのです。
技術力があることがイコール良い会社ではないのです。
今回のトヨタが下位メーカーだったとしたら、クレームがあった時に
何とかしますと答えたのではないでしょうか。
本当に経営は難しい、一緒に経営の勉強をしましょう。
今後とも、よろしくお願いいたします。
(2010.02.09配信、2010.03.09公開)