市場に合わせた商品を開発して売るのは当たり前のことですが、長期戦略の下
市場が育つのを待って、布石を打つのも大切です。
特に、嗜好品と言われるものは、なくても最低限の生活をするうえでは困りませんから
ある程度の生活水準がなければ、どんなに良いものであっても売れません。
自社の強みである美容部員を通して販売することに、こだわり続けたやり方は、
私たちのビジネスでも参考になります。
特に、ますます価格競争が厳しい時代では真似をしたいと思います。
今回は、「資生堂の戦略」を研究いたします。
1.資生堂の戦略(2008年4月9日のブログ記事から)
景気低迷で売上が伸び悩む会社が多いのは皆さんのご承知の通りです。
それは、会社の大小を問いません。
そんな中、資生堂は着々と布石を打ってきました。
低成長の日本市場では今以上に売上を伸ばすのは限界ですので、海外に
活路を求めたのです。
(過去5年の決算では2005年3月期は減益でしたが、それ以外は増収増益です。)
その結果、2007年3月期の海外売上高比率は32%でした。
(日本経済新聞2008年4月3日朝刊)
特に、中国では日本と同じように美容部員を養成し、着実に売上を増やしてきました。
資生堂がメインで売っている化粧品は、カウンセリング化粧品と呼ばれる物で、
美容部員がお客様の化粧に関する相談に乗りながら、実際にお客様に化粧を
しながら売る商品です。
当然に、安売りはしませんので、ある程度生活のゆとりがないと売れません。
今年は北京オリンピックがあるように、中国は丁度日本の高度成長期と同様に
経済成長しています。
まだ、貧しい人もたくさんいますが、その経済成長の恩恵を受けている人達も
大勢いるのです。
最初は安い化粧品を使用していても、生活にゆとりが出てきますとよりよい物を
求めるのが、人間の自然な行動です。
資生堂はその経済成長を見越して、何年も前から中国に進出し美容部員を
育ててきました。
それが花開いて昨年9月に上海工場を2倍に増強し、年平均20%の販売拡大
を目指しています。
そして、経済成長著しいロシアなどの欧州地域での販路を拡大して、3年以内に
海外売上高比率を40%超に引き上げる予定です。
(日本経済新聞2008年4月3日朝刊)
このように、将来を見据えた戦略を立て、実行して成功している会社もあるのです。
資生堂は、自社の商品の客層をしっかり見定めています。
中国の所得水準に合わせた安い商品を売ることは考えずに、高級ブランドとしての
イメージを大切にして成功したのです。
そして、それだけでなく化粧方法を美容部員が教えることにより、使用する化粧品の
種類や量も増えますから、その戦略は本当に素晴らしい。
カウンセリングしながら、商品説明をして売るやり方は他でも応用できると思います。
皆さんの商品はどのように売りますか。
一緒に考えましょう。
☆資生堂の決算(資生堂ホームページ)
売上高
連結 6,442億円 (2010年3月期)
単独 2,445億円 (2010年3月期)
従業員数
3,573名 (グループ従業員数 28,968名)(2010年3月31日現在)
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私は豊島区池袋で開業し税理士として様々な会社を見てきましたが、起業して成功している会社には『戦略』があります。
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名前 森 大志(もりたいし)
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