いまでこそ、格安の温泉旅館は珍しくありませんが、その先駆けともいえる

のが、江戸時代からの歴史を誇る、老舗旅館・箱根「一の湯」です。

 

そして、特筆すべきは、経営者が自分の考えで(これからは格安旅館の時代)、

格安旅館に衣替えしたのです。

 

いま多くある格安旅館は、経営の悪化した旅館をそのまま引き継ぎ再生

したものがほとんどですが、一の湯はちがうのです。

 

バブルの時代は、交際費に支えられていた贅沢なものが、交際費の

減少によって経営が苦しくなりました。

 

 

バブル崩壊後の日本経済を予想して、まだバブルの残る1988年から、

時代の流れを読み決断したのです。

 

 

1.老舗旅館・箱根「一の湯」の挑戦(2007年9月4日のブログ記事から)

 

箱根「一の湯」と言ってもご存じないかたも多いと思います。

あの安藤広重の浮世絵にも描かれている箱根塔ノ沢にある老舗旅館です。

 

バブルの残る1988年、このままでは客足が落ちると考えた社長は思い切って

大改革に乗り出します。

 

前回、団体客中心から個人客中心への転換の話をしましたが、ここはもともと

個人客中心でした。

 

どうしたかと言うと、平日の1泊2食の料金を一人9800円にしました。

 

今でこそ、1泊2食の料金一人1万円以下は珍しくありませんが、当時は

画期的なことでした。

当然、客足が落ちたので仕方なく値下げしたのでなく、料理内容、サービス等の

見直しを行い、この料金でも採算がとれるようにしたのです。

バブルが終わっても経営できるように、この状態が普通と考えたのです。

 

そうでなければ、客足が戻るまでサービス料金で営業し、客足が戻れば元に

戻すと考えるはずです。

ただ、実際に考え実行するのは簡単ではありません。

 

なにせ、従業員には、バブル時代の残像が残っているのです。

私が、なぜ「一の湯」のことを知っているかと言うと、この大改革の内容が

テレビで放映され見ていたからです。

 

おそらく、社長はテレビ取材されることで退路を断ち、勝負に出たのだと思います。

テレビ放映された内容が昨日のことのように思い出されます。

まず、社長は低価格路線に転換する決意を、墓参りしてご先祖さまに報告し、

許しを乞うのです。

それから、従業員を集め路線転換の説明をするのですが、そこからがすごかった。

 

老舗旅館に働いている自負からか、ほとんど全員が反対し、中には泣き出す者、

ふすまを蹴飛ばして出ていく者等収拾がつきませんでした。

しかし、社長の熱意は変わらず、まず板長が協力し、その後、ほかの従業員も

従ったのです。

その結果、私の記憶では「一の湯」「キャトルセゾン」の2軒だったものが、

現在8軒を有する「一の湯」グループとして運営されています。(現在9軒)

このように、経営者は従業員が反対しても経営方針を貫くことが必要な時があります。

いかに「時代の流れを読む」ことが重要か、おわかりいただけると思います。

 

一の湯の事例は、私たち中小企業でも参考になると思います。

 

そして、経営とは多数決ではなく、リーダーたる経営者の決断と実行が

大切なのです。

 

(2010.11.07一部内容変更しました)

 

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