私は、地方の活性化のためには観光立国を目指すべきだと思っています。
その時に、有力な観光資源として温泉があります。
残念なことに温泉旅館の破綻が続きましたが、なんとかしようと様々な取り組みが
行われました。
そのひとつに、コンサルタントの指導による温泉旅館のリニューアルがあります。
すばらしいものも多いのですが、その内容には疑問もあります。
私が気になっているのは、露天風呂付客室を設ける温泉旅館が結構多かった
ことです。
露天風呂付客室は、ほかの部屋よりかなり料金が高くなりますが、その料金設定に
無理があると思うのです。
高い料金を取ることは、部屋だけでなく、料理、サービス、温泉等、旅館全体の形が
整っていないと無理なのです。
これは、他のサービス業にも通じることですが、重要です。
高級な飲食店、ホテル、旅館等サービス業に共通の課題なのです。
例の温泉偽装問題があってから、温泉の泉質の情報開示がされるようになった
のですが、露天風呂付客室の露天風呂が温泉でないことも多いので驚いたことが
あります。
また、もともと料金の高い旅館は料理、サービス等にこだわっている場合が多い
のですが、そうでない旅館はそんなこだわりはないのです。
従って、コンサルタントの指導で露天風呂付客室に改装し、高い料金をとっても対応
できず、客離れにつながるのです。
確かに、高い料金を取れるようにトレーニングをしますが、そんな簡単に身につく
ことではありません。
どうしても、うわべだけの対応になってしまいます。
うわべだけマネをしてもだめなのです。
旅館全体の形が整っていないのに無理に露天風呂付客室を造る旅館がいかに
多いか、JTBなどのパンフレットを見るとよくわかります。
露天風呂付客室に泊まるようなお客様は、お茶、料理、サービス等すべてに
こだわるのです。
だから高いお金を払うのです。
自分が納得してないのにコンサルタントの言うがままに行う、これは温泉旅館だけで
なく、よくある話ですが、すべての業種に共通することだと思います。
コンサルタントが指導しているときは、形式的になんとか形はできますが、本当に
理解していないので続きません。
本人がこだわりを持っていないのに、こだわりを持っているお客様を納得させる
ことはできないのです。
これでは、リピーターが来るわけありません。
すべての業界、特にサービス業で言えることですが、お客様のほうが詳しいことが
結構あります。
ですから、本気で勉強しないと無理なのです。
また、コンサルタントが良いアドバイスをしても理解できないことが多いのも事実です。
経営がダメになったところは勉強不足のところが多く、一概にコンサルタントの指導が
悪いと言えない場合も多いのです。
また、最近の日本経済はデフレが進行し、価格破壊が進みました。
そういう状況で、高価格でお客様を集客できるのは、元々高価格で集客していた
高級店だけです。
自分の納得できる、理解できるコンセプトで会社経営をすることが大切なのです。
経営は奥が深いと思います。
私と、一緒に勉強しましょう。
森大志税理士事務所(←クリックしてください。)