企業経営を考える時に、時代の流れを読むことが大切だと考えます。
今回は、特定の企業ではなく、時代の流れを読んでどのように考えるか、
基本的な考え方を書きました。
国及び各種団体は各種調査データを公表していますが、その中でも
国税庁の公表しているデータは、課税実績に基づいているので非常
に信頼できると思います。
「時代の流れを読む」には、各種公表データの分析が欠かせないの
ですが、実際の国の政策判断においても利用されています。
よく世論調査などの結果において、各新聞社間で違う場合が多い
のですが、それは微妙な質問の仕方による差であったり、質問の
内容によっては本当のことを答えないからだと考えます。
大企業は力があるので、自社製品の広告等を通じて消費者の反響等
を調べることができますが、私たちはそんな予算もありませんので、
国等が公表しているデータを利用するのです。
国税庁の公表しているデータのなかに交際費の支出額に関する
ものがあります。
それは「税務統計からみた法人企業の実態」です。
それによると交際費の支出額は
平成 4年分 6兆2078億円
平成14年分 3兆7426億円
平成15年分 3兆4645億円
平成16年分 3兆4393億円
平成17年分 3兆5338億円
平成18年分 3兆6313億円
平成19年分 3兆3799億円
平成20年分 3兆2260億円
となっていて、平成4年をピークとして半減しています。
私たちは、よく景気が悪いと言う言葉を使いますが、この数字を見ると、
時代の流れが変わり、今の状態が普通なのだと分かります。
そのように考えますと、交際費ビジネスと言われるゴルフ場、高級料亭、
高級ホテル、高級旅館等が厳しいのは当たり前なのです。
それなのに、あるホテルは宴会場の改装を行ったりして、時代の流れが
変わったことを理解できなかったのです。
会社の宴会も一次会だけ、社員旅行もない、そんな会社が普通に
なりました。
また、バブルの時のように戻ることはありませんから、今が普通であると
考えなければいけないのです。
そうしますと、カラオケボックスで会社の宴会が出来るように、広い部屋、
本格的な料理が出るお店を考えたり、居酒屋で本格的なカラオケルーム
を創る。
団体客相手の大型温泉ホテル、旅館を個人客が中心の宿に切り替える。
今までは、団体客、交際費を使うお客様を相手に楽に稼ぐことばかり考えて
いましたが、個人客を相手にするビジネスに、転換しなければいけないのです。
この転換をうまく出来なかった企業は、バブル崩壊後長く低迷し、倒産したり
廃業に追い込まれたのです。
いかに、「時代の流れを読む」ことが大切か、運が悪いと嘆くのではなく、
この数字を分析しビジネスに役立てている人もいるのです。
私と一緒に勉強しましょう。
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