職業柄今まで色々な経営者と接してきました。
たたき上げの経営者、脱サラの経営者等様々な経営者がいます。
今の日本では大学を卒業した経営者も珍しくありませんが、たたき上げの
経営者の多くは大卒ではありません。
不思議なことに、この学歴と実際の会社の経営とは比例しないことが多い
のもまた事実です。
今でもお付き合いがある、引退したある社長のことをよく思い出します。
私が独立した時に、私の事務所の顧問先になってくださり、非常にかわい
がってくださいました。
そんな関係で、その会社の慰安旅行には必ずと言っていいほど声をかけて
くださり、すべてに参加しました。
また、社員の方とも親しくさせていただき、本当にお世話になりました。
この社長は、独立してからコツコツと真面目によく働き、その結果業績も
ずっと順調でした。
そして、あのバブル経済になったのです。
当然、会社の業績がいいので銀行の支店長から融資話が
しょっちゅうありました。
ある時は、銀行の支店長から融資をするから、ビルを買わないかと
勧められたのです。
しかし、今でも思い出しますが電卓で一生懸命計算して、採算が合わないと
断ったのです。
本当に見事な対応でした。
「社長の第六感(経験に基づく客観的な判断)」でこんなバブルが
いつまでも続くわけがないと、冷静に判断していました。
人間と言うのは欲がありますから、物事を自分の都合のよいように判断
しがちです。
そして、失敗をするのです。
私は、この 「社長の第六感(経験に基づく客観的な判断)」が大切だと思って
いますが、儲かっている会社の社長はよく当たるのです。
その社長が、何年か前、機械の更新をするかどうかで悩み、新規に
設備投資をしても採算が合わないと会社をたたみました。
今から考えると、一番いい時にやめたのです。
本当にお見事なのです。
このように「社長の第六感」は今まで失敗をしません。
常に冷静で、客観的に物事を見ることができるからだと思います。
この社長が、会社を辞める時に先生のおかげで今まで順調でうまく
いったといって下さいました。
本当に税理士冥利に尽きるとはこのことだと思います。
この場をかりて、お礼を言わせてもらいます。
こちらこそ本当にありがとうございました。
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