物の価格というのは様々ですが、私たちが売価を決める場合は、
その商品の製作原価がいくらかが基準でした。
製造原価に販売経費、利益を加えて売価を計算していたのです。
しかし、物には販売価格というものがあります。
たとえば、多くの方が考える持ち家。
最初に購入するのは、購入価格を考えますとマンションが多いでしょう。
マンションを購入するには、通常頭金を入れて残金はローンを組みます。
このローンを組める金額は、通常年収の5倍程度といわれています。
それを考えますと、いくら良い場所でも、いくら内装が良くても、売れる
訳ではないのです。
購入価格が決まっているわけですから、それに合わせて考えます。
マンションメーカーは、販売価格がいくらだから土地の仕入価格はいくらまで
と考えて仕入れしているのです。
売価が先に決まっているのですね。
最近の日本経済を見ますと、これと同じように売価が先に決まる場合が
増えています。
原価がいくら掛かるかは関係ないのです。
その売価に合わせるのは大変なことですが、それができない会社は
仕事がないのです。
また、無理にそれに合わせている会社も利益率の低下に苦しんでいます。
ですから、中小企業の多くが赤字決算なのも当然なのです。
本当に厳しい時代になりました。
このことは、特定の業種のことではなく、すべての業界に共通です。
生き残るためには、さらなる原価、経費の見直しが必要なのです。
簡単ではありませんが、みんなで知恵を出し合い頑張りましょう。